まったりした話
午前中にタバコを買いに行こうと、アパートの階段を降り自分の車の方に向かうと、その向こうの道端に犬を連れた年配の長身な女性が立っていた。
この方、俺の中では結構な登場人物で、年老いたシェルティを連れて、超スロースピードで散歩をさせている。
いや、自分の散歩に犬を無理やり付き合わせているのか?
その方は、長い髪を整えもせず白髪混じりで、だが半ジャージにTシャツという若干スポーティな出で立ちで、長身の背筋はピシッと真っ直ぐしており、服装や化粧に頓着なさそうなれど清潔感のあるメガネさん。
犬が休憩中なのか歩き出そうともせずに直立不動でこちらを見ていたが、俺がじっと目を逸らさずに近づいていったところ、横向きでペッコリ45°(マジで腰から45°に折れ曲がった)の会釈をしてくれた。
こちらも会釈を返した。
きっと「怪しい者ではありません」アピールに違いない。
こちらは犬の顔を見つめて「ふふふ」と微笑み、「可愛いですね」アピールの後に乗車。
10分後帰ってくると、その二人は20mも進んでいなかった。